今や高級車やスポーツカーの保護に欠かせない「プロテクションフィルム(PPF)」。
実はそのルーツは意外なところにあり、元々は 軍事目的 で開発されたものです。

1.さかのぼること1960年代

1960年代、アメリカ軍はベトナム戦争で ヘリコプターのローターや機体表面が飛び石や破片で損傷する問題 に直面していました。
そこで、アメリカの3M社が 透明で強靭なポリウレタンフィルム を開発し、軍用機を保護するために使い始めたのが最初です。

このフィルムは、軽量ながら耐久性があり、衝撃や擦れに強いという特徴がありました。

2. 自動車分野への応用

その後、1970〜80年代にかけて、この技術は レーシングカーや高級スポーツカー に応用されるようになります。
サーキット走行では飛び石や砂利が多く、ボディやライトがすぐに傷ついてしまうため、フィルムで保護する発想が広がりました。

  • ヘッドライトの飛び石対策
  • フロントバンパーやボンネットの保護
  • 高速走行時の塗装剥がれ防止

このように、軍事技術が「車を守るフィルム」へと進化していきました。

3. 一般車への普及

1990年代以降になると、カーケア市場に広がり、一般の高級車オーナーにも認知されるようになりました。
さらに技術改良が進み、

  • 透明度が高く黄ばみにくい
  • セルフヒーリング機能(細かい傷が熱で自己修復)
  • 耐候性・耐UV性能の向上

といった高性能なフィルムが登場。
現在では、スーパーカーだけでなく輸入車や国産車にも施工されるようになり、「車を守るスタンダードな方法」の一つになっています。

4. 現在と未来

現在のプロテクションフィルムは、保護性能に加えて 見た目の美しさ や 施工のしやすさ も重視されています。
また、今後は「カラーPPF」や「マット仕上げ用フィルム」など、 カスタム性 を兼ね備えた製品がさらに増えると予想されています。

まとめ

プロテクションフィルムの誕生は、実は 軍用機の保護 が出発点でした。
そこからモータースポーツを経て、自動車の世界へと広がり、今では私たちの身近なカーケア用品となっています。

つまり、プロテクションフィルムは

  • 軍事 → レース → 一般車
    と進化してきた「技術の結晶」といえるのです。

愛車を守るための背景を知ると、フィルム施工の価値が一層深まりますね。

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